3:拒絶する子供

眠りから目覚め、最初に目に止まったのは、木材で作られた天井。

やわらかいベット。風に揺れるカーテン。

 

「・・・・・・」

 

すす汚れた灰色の髪をした子供は、ベットから起き上がった。

頭がぼーっとするようで、生気を感じない虚ろな紅い瞳が、窓の外を見つめる。

既に日はおち、あたりはもう完全な夜の世界だ。

どこを見ても木しかない風景に、光は夜空に浮かぶ星だけだ。

 

「・・・・じゃ・・ね」

「・・ああ・・・・・ない」

 

ドアの向こうから、人の話し声が聞こえる。

だが、ドアを開ける気も、何もする気も起きない。

今の自分の状態の状況がつかめず、ベットの上に腰をかけ、何かをしようともせずに、ただ、ぼーっとする。

 

ドアの隙間から、かぐわしい香りがする。

だが、その子供は反応する気配すらない。

 

「晩御飯が出来たんだけど・・・起きないかなぁ?」

 

そう言いながら、男性がドアに手をかけた。

 

カチャ・・・

ゆっくりとドアが開いた。

子供は今しがた目覚め、ベットに座っている。

 

「おぉっ!?」

 

予想外の展開に、男性はオーバーにリアクションをとりながら驚く。

 

「目が覚めたんだね~!どう?気分は?」

「・・・・・」

 

何も反応が返ってこない。

 

「う~~ん。まだまだお疲れかな?」

「・・・・・」

 

全く反応するつもりがなさそうだ。

 

「あっ、紹介が遅れたけど、僕はヘンドリック。ヘンドリック・ラプスだよ♪
君のお名前は、何て言うのかな?」

「・・・・・」

「あ~、ちなみにココは僕のお家だよ!
君がオオカミさんに狙われていたところを、僕が、『とぅっ!!』とかっこよく助けたんだよ♪」

「・・・・・」

「ねねっ!お腹すいてない?
今日はきのこシチューにする予定だったんだけど、残念ながら、きのこの収穫が0でね・・・。
でもね、鶏肉の蓄えがあったからね、今日は豪勢にチキンだよ!!」

「・・・・・」

 

一方通行で、会話になっていない。

 

「おい、せっかくの命の恩人に何の礼もなしか?」

 

ヘンドリックの後ろから、別の人影が声を出した。

ゆっくりと歩きながら、まだ年もあまりいっていない少年が、ドアの向こうから現れた。

 

「また、ぼーっとしてたんだろ。おまえ鈍くさいからな。」

 

その少年が、指をさしながら毒舌に子供をけなす。

 

「ちょっ!ちょっとその言い方は酷いんじゃないの?タークスくん~~!!」

「いーんだよ、俺様怒ってんだからな。
どうせまた「どうなってもいい、死んでもいい」とか思ってて、オオカミから逃げようともしなかったんだろ?お前?」

 

タークスと呼ばれた少年が怒りながら、すごい発言をさらっとした。

またもオーバーにリアクションをとりながら、ヘンドリックが聞き返した。

 

「へ?なっ何かの挨拶みたいな冗談かな?
死んでもいいとか聞こえたような気がしたんだけど・・・?」

 

目を丸くしながら、ヘンドリックが喋る。

怒りが収まらないようで、タークスが声を荒らげながら答える。

 

「こいつ、死にたがりなんだよ。毎日毎死にたがっている。
なぁ?そうだよな?ゲ・・・・」

「ルイ!!」

 

子供が急に大声で、言葉を発した。

タークスは予想外だったようで、ビックリしている。

しかし、ヘンドリックはニコニコしている。

 

「わ~~喋ってくれた!!『ルイ』それが君の名前?」

 

満面の笑みで、子供・・・ルイに近づいた。

 

「喋ってくれて嬉しいよ~♪」

 

ルイと名乗った子供の目線に屈みこみ、

ヘンドリックはルイの両手を包み込もうとする。

・・・・・だが

 

パシィッッ!!

 

ルイは全力で、ヘンドリックの手を払いのけた。

 

「オイッ!!」

 

タークスは怒りながら、ルイに近づく。

だが、ヘンドリックが手をタークスに向けて静止させる。

 

「ん!大・丈・夫ッ!」

 

笑顔で答えるヘンドリック。

だがタークスは納得がいかない顔だ。

 

「ごめんね~、いきなり触ろうとしちゃって!
僕の癖なんだよ~、誰かに触れようとするの~☆
さびしんぼうなんだ、僕♪」

 

本気なのか冗談なのか分からない言い方で、明るいトーンで喋る。

 

「・・・・よごれてるから」

 

ボソッとルイが言葉を発した。

 

汚れている。

そう言われたヘンドリックはちょっと悲しそうな表情で、自分の手を見返した。

 

「あぅ。僕の手、汚れてた?
さっき鳥を捌いた時の血はよく落としたと思ってたけど・・・。
ごめんね?ルイちゃん?」

 

それを聞いたルイは、首を横に振った。

怪訝な顔でルイを見つめる、ヘンドリック。

だが、ルイは理由を答えるつもりはなさそうだ。

それを見かねたタークスが、ため息をついて説明しだした。

 

「自分の手が汚れてるって事だよ。」

 

淡々と説明する、タークス。

 

「え・・・あっ、まだ手洗ってないから?
だからなのかぁ~!僕の手が汚れるって気にしてくれたんだ!
優しいね、ルイちゃんは~♪」

 

ニコニコしながら、喜ぶヘンドリック。

そのポジティブな答えにタークスは、あっけにとられ、口がポカーンと空いている。

 

「いや、そうじゃなくてだ・・・」

 

「ねえねえ、お腹すかない?
せっかく出来立てほかほかなご飯が出来ているから、みんなでご飯を食べよう!
僕お手製のチキンが待っているよ~!!さぁ、ご飯を食べて元気♪元気♪」

 

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暇つぶしに見てやんよ!な優しいあなたへ

オリキャラの世界を作りました。
(重い)愛♥がいっぱいあふれてます。

人生の暇つぶし程度に遊んでいってね!
描き手が喜びます!!

小説
中二病デ何カ悪イ!?
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