4:お腹がいっぱいならきっと幸せ

マイペースにヘンドリックは、ルイの手を引いて、無理やりといっていいほど、居間へ連れて行こうとする。

手を振りほどこうとするルイだが、力が強くて解けないようだ。

扉の前に立っているタークスも、手を肩に回し、一緒に連れて行く。

彼はマイペースな人柄のようだ。

 

「じゃじゃ~~ん♪」

 

居間には、テーブルの上に真ん中に、芳しい香りの「ローストチキン」。

そしてパン、森の山菜サラダ、オレンジジュース。

なかなかに豪華な料理の数々だった。

 

「僕お手製、ヘンドリックスペシャルです♪」

「…なんだそりゃ?」

 

タークスが馬鹿らしいという表情で突っ込んだ。

 

「ささっ、2人ともかけてかけて!」

 

イスへと2人を座らせる。

そしてヘンドリックもイスに座り、満面の笑みで両手を合わせる。

 

「いっただきま~す♪」

 

元気な声でフォークでチキンを刺した。

 

「ささっ、早く2人も食べないと全部僕が食べちゃうよ~♪」

「は~、んじゃまぁ頂きますかね」

 

タークスもフォークでチキンにグサリと刺した。

 

「……」

 

だがルイは、フォークに手を出そうともしない。

 

「ふぁふぁふひゃひゃべひゃひゃにゃくひゃっひゃうひょ?」

「早く食べなきゃなくなっちゃうよ?」と、ヘンドリックが言っているのだが、何を言っているのか分からない。

 

「あ~、そいつ肉食ねぇんだよ」

 

丁寧にチキンを切り分け、口に運びながらタークスが答えた。

 

「肉を食べない!?もっもったいない…!!」

「肉だけじゃねぇ、魚も食ねぇよ、そいつ」

「マジですか!?」

 

ルイは相変わらずの無表情だ。

 

「僕は好き嫌いとか特にないから分からないけど、嫌いってどんな感じなのかな?」

「……」

 

ルイは相変わらず、無口で喋る気配はない。

 

「あ~、うまいまずいって言うより、こいつの場合、『狩り』がトラウマになっちまったみたいでなぁ…」

 

横からタークスが説明しだした。

 

「狩り?」

「そ、狩り。
まー、俺様たち旅人って奴だから、その日暮らしで食いつないでる訳よ。
人のいる所を避けてるんで、食い物も自らの力での狩り。毎日が野性的よ。
何か、狩ってる姿に嫌悪感を抱いたみたいだな。
コイツ、あんまし喋べんねーから、よくわかんねーけど。」

「おぉ!僕も毎日が狩りだよ!まぁ、小麦粉とかは街に買出しに出ているけどね。」

「こんなとこに住んでんだから、不便極まりないだろ。
それにしても、小麦粉ねぇ…最近それ系は食ってねぇな。」

 

タークスはあさっての方向を見て、ため息をついた。

その姿を見たヘンドリックは、目を輝かせながら答えた。

 

「何なら僕お手製の、アップルパイでも焼くよ?
僕お菓子を作るのも食べるのも大好きなんだ~♪」

「げっ、男のくせに甘いモン好きかよ!いい年した大の男がよぉ…。
見たところ…あ~、…32、3辺りか?」

「ブ~!!今年で41で~す♪」

「マジかよ!!あんた童顔だな!!」

 

2人が盛り上がっている中、ルイは全く付いて行けない様だ。

「付いて行けない」というよりも、「付いていかない」と表現した方が正しいが…。

 

「あぁ~~、話がそれちゃったね!
ルイちゃん、お肉がダメならサラダをどうぞ♪
森の恵みをご堪能あれ~☆」

 

そう言って、ヘンドリックはルイの前に山盛りにのせたサラダを置いた。

ポテトサラダに、にんじん・たまねぎ・きゅうり、あと…何か見慣れない赤いものが見える。

 

「…おい、もしかしてその赤いのは…」

 

いやな予感がしたタークスが、恐る恐るその赤い物をつまみ出す。

そう、その赤いものは…

 

「苺じゃねぇか!!!!」

 

いやな予感が的中し、タークスはテーブルをものすごい音をたてて叩いた。

一瞬全ての料理が宙に浮いた。

しかしルイは全くの無反応だ。

 

「うん、苺だけど…?あれもしかしてルイちゃん苺嫌い?
僕は大好物の一つなんだけどなぁ~」

 

むぅ~と口を尖らせるヘンドリック。

だが、やはりルイはうんともすんとも言わず、無反応だった。

 

「ちげーよ!!

コイツの好み云々じゃなく、俺様が言いたいのは、何でポテトサラダに苺が入ってんだって事だよ!」

「何でって…おいしいからに決まってるじゃないか~♪
僕、甘いものがだ~~い好きなんだよぅ☆」

「…このおっさん、マジで意味不明だ…」

 

賑やかながらに、食事は終わった。

ヘンドリックとタークスはかなりの量を食べたが、ルイは殆ど料理には手を出さなかった。

そんなルイを見て、ヘンドリックは心配になった。

 

ほうっておけない…。

 

ルイが気になって仕方がないようだ。

 

<<前続き>>

 

黒歴史小説一覧へ移動する

 

暇つぶしに見てやんよ!な優しいあなたへ

オリキャラの世界を作りました。
(重い)愛♥がいっぱいあふれてます。

人生の暇つぶし程度に遊んでいってね!
描き手が喜びます!!

小説
中二病デ何カ悪イ!?
トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました