7:不穏な男たち

「あ~あぁ、俺様は一体どこへ向かっているのかね?」

 

森の中を歩きながら、タークスがぼやいた。

この森は結構深いようで、アレから8時間ほど歩いてるが一向に抜けられる気配がない。

同じ景色ばかりで、タークスはウンザリとしている様だ。

 

「ちぃっと休まねぇか?昼飯もろくに食ってねえし、もう日も沈むぜ?」

「・・・・・・」

「相変わらずの無視かよ。
たくっ・・・無愛想なお前と一緒に居ると、こっちまでその無愛想が顔がうつってくるぜ。
ああヤダヤダ、暗い暗い・・・」

「・・・なら、一緒にいなかったらいい。」

「・・・あっ?何だよお前、俺様に意見してるのか?」

 

空腹が重なって、タークスはいつも以上にイライラしている。

眉間にシワを寄せ、こめかみがわずかに筋が入っている。

かなり機嫌が悪いようだ。

 

「あのとき、つれださなかったらよかったのに。
ほうっておいたら、今そんな思いをする事もなかった。
・・・楽になれたのに。」

「・・・いい加減にしろよ。お前。
俺様の行動まで否定するつもりか?生意気なんだよ、ガキが。
オメーは俺様の主なんだから勝手に死なれたら困るんだよ。
まだ俺様の主になって1年も経ってねぇのに、「主殺し」の不名誉のレッテルを貼らせるつもりか?」

「・・・めいよなんてバカみたい。」

「あ?何か言ったか・・・っておい!!」

 

ルイは全力で走り出した。

 

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」

 

息を切らして、ルイは立ち止まった。

タークスにきつい言葉をかけ、逃げるように走ってきたが、華奢な体に、ほどんど食べ物をのどに通していないので、体力があるはずも無い。

5分もしないうちに立ち止まり、とても苦しそうだ。

 

「私なんて・・・どうなったっていいんだ・・・」

「きゅ~」

 

ルイはひどく顔色が悪く、もともと白い肌だが、ますます顔面蒼白になっている。

ファストは無邪気に「きゅ~きゅ~」と鳴いている。

悲しそうな表情で、胸にファストを少しきつく抱きしめ、うつむく。

そんなルイを無邪気な表情でファストは見つめていた。

 

 

うっそうとした森の木々は高い。

小さなルイなど、そこにいるのも分からないほどだ。

日も少し暮れてきて、再び夜の森の世界が訪れる。

 

ルイは全体的に白い服を着ているので、少し目立つが・・・

ルイの赤い瞳が妖しいほどに、よく映えていた。

 

「おいおいおい!こんなところで迷っていて最悪だと思ったら、
何だよ!この不幸中の幸いは!!」

 

ガサッっと茂みから、見慣れない男が2人現れた。

突然の人の出現に、ルイの肩がビクッっと飛び上がった。

 

「ハハッ、随分と上玉じゃねぇの!」

 

ニヤニヤとしながら、顔にキズがある黒髪の大柄な男がルイに近づく。

もう一人の茶色の髪の男も黒髪の男と共に茂みから出てきた。

 

「こんな森に何で、こんな小奇麗なガキが・・・?」

「何でもいいじゃねぇの!!
えらい宝がこの森にあるっつって来てみたが、獣ばかりで何もありゃしねぇ。
そんな時にこの幸運!!コイツが俺達にとってのえらい宝だって事か!」

 

馬鹿でかい下品な笑いが森にこだまする。

大きな声に怯え、ルイは身じろぎすら出来ないでいた。

 

「そんなに怖がるなって!
迷子か?お兄さん達が森から出してやるからよ!」

「まさに私達が迷子だろうに・・・」

 

やれやれと、茶色の髪の男が呆れ、顔にキズがある男に意見した。

迷子になってイライラしていた顔にキズがある男は、カリカリしている。

気が立っていて何をするか分からない勢いだ。

 

「うるせぇ!!お前は黙ってろ!!」

 

さっきの笑い声より更にデカイ声で叫ぶので、ルイはますます怯えている。

 

「あぁ、悪い悪い。
大丈夫だぞ?お兄さん達についてくれば、
キレイな人たちが楽しい事で遊んでくれるぞ?」

 

笑っているが、心の奥底では何かをたくらんでいる顔で、ルイの頭をなで始めた。

顔にキズのある男に触れられ、ルイは感情が高ぶり、全力で男の手を振り払った。

 

「何だよ、そんなに怖がるなって!
お前を傷つけたりしねぇって、“俺達”は、な・・・」

 

何か意味がありげな言い回しをされて、ルイには余計に不安が募る。

ファストも危機を感じたようで、「グヴヴヴ」と牙を出し警戒している。

 

「手にもっているのはモンスターか?
ガキとはいえ、危ないぞ?かなり興奮しているようだしな。
早く離してやれよ・・・ってうぉ!!」

 

言葉が終わるより先に、ファストは顔に傷のある男にキバをたて、男の腕に飛びかかった。

 

「いっって・・・この、モンスターがぁ!!」

 

ファストの頭をでかい手で掴み、木に向かって放り投げた。

木の幹に投げられ、鈍い音がなり「きゃうっ!」と声を出し、ファストは気絶してしまった。

 

「ファスト!!」

 

今までで一番大きな声で、ルイは叫んだ。

 

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暇つぶしに見てやんよ!な優しいあなたへ

オリキャラの世界を作りました。
(重い)愛♥がいっぱいあふれてます。

人生の暇つぶし程度に遊んでいってね!
描き手が喜びます!!

小説
中二病デ何カ悪イ!?
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