9:ごみそうじ

「くっそ!アイツ一体どこに行ったんだよ・・・!!」

 

タークスが薄暗くなった森の中をさまよう。

 

ルイが全力で走り去り、追いかけようとはした。

だが、何故自分が追いかけなくてはいけないのか。

自分は何も悪い事は言っていない。

追いかける理由が思いつかないと考え、追いかけないでいた。

 

だが、幻獣との契約を果たした主との誓いは、主が死んでも破棄できない。

「主を守れなかった」という呪いの様なものらしい。

 

ただでも死にたがりなルイ。

もし野垂れ死にでもされたら、タークスは一生「主殺し」の咎を背負わなくてはならない。

幻獣にとって、一番の不名誉だ。

 

「アイツの気配がよめねぇ・・・。
クソッ、俺様がまだ未熟って事か・・・!!」

 

己の未熟さにタークスが悔やんでいると、少し離れた場所から、叫び声が聞こえた。

 

「アイツか!?・・・いや、それにしては低い声だな。
・・・手がかりがあるかもしれないな」

 

全速力で、タークスが駆け出した。

 

「・・・・・・なんだ、コレ・・・?」

 

全速力で走り、タークスは現場にたどり着いた。

だが、目の前に広がる光景は・・・

おぞましい光景に、タークスは耐えなれなくなり、口元に手を押さえ戻してしまった。わずかに涙も出ている。

 

「・・・きえた、きえた・・・全部きえた。
“ゴミ”はけさなきゃ・・・。けしたから喜んでくれるかなぁ?」

 

とても見れた光景ではない場所に、仰向けになりながら歌うように口ずさむ人影。

ルイだ。

何度も何度も同じ言葉を繰り返している。

 

「・・・お前がやったのか?コレは・・・?」

 

何とか少し冷静さを取り戻し、タークスはルイに聞いた。

まだ恐怖が体を揺さぶり、声も振るえてる。

 

「うん、わたしがやったの。ゴミをけしたの。
これで褒めてくれるかなぁ?」

 

口調は無邪気で、とても悪びれる言い方ではなかった。

 

「・・・誰が喜ぶんだよ?」

 

ルイが「喜んでくれる」という人物。

タークスには何となく検討がついた。

だが、はっきりとルイの口から聞き出したかった。

 

「ははうえのおとうさま」

 

タークスの予想が的中した。

ルイが好かれたいという人物。

それはタークスの考えでは、ルイにとっての祖父か母親でしかなかった。

 

「ゴミをけしたら、よろこんでくれるって。
わたしはやくにたつって。けしたらよろこんでくれるって・・・」

「・・・ゴミってなんだよ?」

「びょうきをもったひと。そのひとをけせばよろこんでくれるの」

 

ルイはとても嬉しそうに笑っている。

役に立てる事が、とても嬉しいようだ。

 

「何だよ、それ・・・それって人殺しじゃねぇか・・・!!
病気!?何のだよ!?殺さないと何か害を及ぼす病気な
・・・・・・!?まさか・・・!!」

「な・・・これは・・・!!」

 

別の人物が現れた。

聞き覚えのある声。

いつもは明るい、太陽なような人物。ヘンドリックだ。

 

「これは・・・」

 

とても悲惨なこの場を見て、ヘンドリックは口に手を押さえた。

だが、タークスほど動揺しておらず、いたって冷静だ。

ちらっとあたりを見回し、ルイの姿を見つける。

ゆっくりと仰向けに倒れているルイに近づき、しゃがみこんでルイの顔に手で触れた。

 

「ルイちゃんに怪我は・・・なさそうだね。良かった。
・・・服も肌も汚れちゃったね。
お家に帰って、キレイにしよう?ね?」

 

何があったかを問いたださず、優しい口調でルイに話しかけた。

様子がおかしいルイを見て、とても聞きだす状況ではないと判断したようだ。

 

「・・・きれい?もう、きれいにしたあとだよ?
きれいにしたから喜んでくれるよね?
いらない人は消したよ?消したらわたしはいる人になるんだよ。
とても役に立つんだよ。・・・いてもいいんだって。」

 

いる人?いらない人?ルイの言っている言葉の意味はよく分からない。

だが、今は精神的にも体力的にも衰弱している姿を見て、まずは身体の保護を優先させるべく、ルイをゆっくり起こしだっこした。

そして少し離れた場所に立っているタークスに、ヘンドリックが話しかけた。

 

「タークス君!タークス君も怪我はないかい?
・・・顔色が良くないね。無理もないか・・・。
とりあえず、お家に帰ろう?歩けるかい?」

 

わずかにタークスが首をたてに振った。

 

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暇つぶしに見てやんよ!な優しいあなたへ

オリキャラの世界を作りました。
(重い)愛♥がいっぱいあふれてます。

人生の暇つぶし程度に遊んでいってね!
描き手が喜びます!!

小説
中二病デ何カ悪イ!?
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